
「先生、体に気をつけてください。風邪とかひかないでくださいね。」
20数年前、患者さんと二人三脚でじっくり時間をかけて作製し、ついに型を採って最終的に作製が終わる段階で、患者さんがおっしゃった言葉です。
不思議なことを言われるな・・、と思いながら「ありがとうございます。」と私が返すと、
「私にとってはこの入れ歯は一生付き合っていくものです。だから先生には万全の体調で私の入れ歯を作って欲しいんです。だから、お体お大事にされてくださいね。」
患者さんは笑いながらお話をされていましたが、私は歯科医師として身が引き締まる思いでした。年月を経た今でも、その時の事がはっきりと記憶に残っています。
患者さん一人一人にとっては、完成する入れ歯が人生の中で大きな意味を持つということを、絶対に忘れてはいけないと強く感じました。 |
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一人一人の体型や趣味、文化の違いから選ぶ服装が異なる。
そのことは入れ歯にも当てはまることです。
一人一人の顎の形や入れ歯の本数、
良く噛める様になりたい、
入れ歯を気にせず思い切り笑いたい・・、
「何を理想とするのか?」は人によって異なります。
ただ、入れ歯は服のように簡単に着替える訳にはゆきません。
失敗は許されない状況で、
私は個々の患者さんに対応した様々な種類の入れ歯を作る必要性を痛感しました。
その為に、日本全国で活躍されている入れ歯のスペシャリストから多様な入れ歯の作り方を学び、結果的に私は患者さんのお口の状態や、お望みに応じたいろんな種類の入れ歯を作るようになりました。
私の入れ歯作りは「これが最高の入れ歯だから、黙ってこれを使っておけ!」というタイプではありません。
どちらかというと2人3脚で患者さんと相談しながら入れ歯を作っていくタイプです。
ですから患者さんと相談したり、作ったものを試したり、と一般的な歯科医院よりも入れ歯作りには時間がかかるかもしれません
。
ですが、その患者さんに合った入れ歯を作るには必要なことだと考えています。
歯科医師として約20年、これまで3000以上の入れ歯を作ってきました。
しっかりと合う入れ歯を作るにはそれなりの手間ひまをかける事も、また必要であると思います。 |
良い入れ歯作りに近道はありません。
これまで使っていた入れ歯でお悩みの方は一度ご相談ください。
食べることやお話することは人生の中での楽しみの大きな割合を占めていると思います。
どうかその大切な時間を簡単にあきらめないで下さい。

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